さんち 〜工芸と探訪〜

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蒸し野菜に最適な、電子レンジでも使える「わっぱセイロ」 睦月の豆知識:足立茂久商店の「わっぱセイロ」

投稿日: 2019年1月19日
産地:
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こんにちは。細萱久美です。

1年の始まりの月、1月は旧暦で睦月のお話です。睦月は、親類知人が集まり、仲睦まじく宴会をする月、ということで正月を睦び月と呼んだのが由来とされています。

この風習は、これからも変わることの無い日本の正月文化ですね。私は東京出身で東京在住なので帰省がなく、あまり気分が変わりませんが、普段よりは家でゆっくり過ごしています。

12月から1月は忘年会や新年会シーズンなので、お正月も含め飲食の量がついつい増える時期でもあります。

1月半ばにもなると、ちょっと身体が重いぞ‥‥と感じる方も少なくないのでは。そのまま油断していると、体重計に乗ってびっくり!となるので、胃を休める食事も心がけたいところです。

おすすめなのは、デトックス効果もある温かい野菜料理。特に繊維の豊富な根菜類は意識して食べると良いと思います。おせちの食材の残りなどを無駄なく使い切るには、「野菜スープ」や「蒸し野菜」は簡単、ヘルシー、しかも美味しいメニューです。

蒸し野菜に最適な「わっぱセイロ」

今回紹介する調理道具は、蒸し野菜を作るのに最適な「わっぱセイロ」です。私が使っているのは「足立茂久商店」さんのセイロ。現在11代目の足立照久さんが、ひとつひとつ手作りでセイロを作り続けています。

足立茂久商店のある新潟県寺泊の山田は、江戸末期には既に「ふるい」業組合も存在し、ふるいや裏漉し、セイロなどが盛んに作られていたそうです。

それも今やこの地で曲げ物を生業とするのは、江戸時代より続くこちらただ一軒!大変希少なセイロとなってしまいました。希少ゆえというよりも、シンプルで美しいデザイン、金具を使わず丈夫で長持ち、そして価格も適正という理由で選んだ道具です。

天然素材だからこそ、電子レンジにも耐えられる

このセイロを使って作る蒸し野菜は、作り方というほどもなく、数種類の野菜をやや大振りに切ってセイロに入れ、湯気のあがった鍋に乗せて10分前後蒸すだけ。れんこん、人参、お芋、ごぼう、たまねぎなどの根菜や、ブロッコリーやキノコ、そしてトマトも1分ほどさっと蒸すと彩りも綺麗です。

これ以上簡単な調理もあまり無い気がしますが、セイロの蓋を開けた時に立ち昇る湯気は、ご馳走に感じます。大き目のセイロで作れば、お客様のおもてなしにも喜ばれると思います。

蒸すことで、茹でるよりも野菜の旨味が閉じ込められて甘味も増し、美味しい塩を付けるだけで素材の味が引き立ちますが、ソースを少し凝ると味にも変化がつき、簡単にバリエーションが出来ます。

便利に思うセイロですが、電子レンジの普及も影響して、最近では利用している家庭も減っているでしょうか。個人的には、蒸す方が、蒸気で水分を程よく補いながら食材を温めるので、ふっくら仕上がって美味しいように思います。

と言いつつも、この足立さんのセイロは、なんと電子レンジに対応する画期的なセイロ。どんな特殊な技法かと思いきや、天然素材のみで作られています。

実はそこがミソで、金具を使わず、厳選した柾目の檜と竹くぎの天然素材を使うことで、電子レンジでも耐えられるのだそうです。先代が開発したという「電子レンジで使えるわっぱ」は、時代の変化に合わせた発想だけではなく、伝承技術があってこそ生まれた道具と言えます。

一度火が強かったために少し焦がしてしまいました。まだまだ問題なく使えますが、もし壊れても修理をしながら何十年も使えると思います。これもまた、使い込むことで深みの増す大切な睦月の暮らしの道具です。




細萱久美 ほそがやくみ

元中川政七商店バイヤー
2018年独立

東京出身。お茶の商社を経て、工芸の業界に。
お茶も工芸も、好きがきっかけです。
好きで言えば、旅先で地元のものづくり、美味しい食事、
美味しいパン屋、猫に出会えると幸せです。
断捨離をしつつ、買物もする今日この頃。
素敵な工芸を紹介したいと思います。

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文・写真:細萱久美 ※こちらは、2016年 12月23日の記事を再編集して公開いたしました
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