さんち 〜工芸と探訪〜

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産地の工芸品

新潟

燕三条

えちごさんじょううちはもの 越後三条打刃物

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概要

現在の新潟三条市一帯で作られる打刃物の総称。高度な自由鍛造技術を駆使することに特徴があり、その造形技術が生み出す多様な製品群は、2009年4月に経済産業大臣による伝統的工芸品の指定を受けた。

歴史

信濃川と五十嵐川に挟まれた肥沃な新潟平野の一角に位置する新潟県三条市は、古来より農業が盛んな地域であった。弥生時代の経塚山 (きょうづかやま)遺跡(如法寺)から板状鉄斧なども出土されており、古代から鉄を扱い、農業に必要な道具を造っていたと推察される。

はっきりと鍛冶についての記述が見られるのは明暦年間(1655~)以降で、明暦年間には領主「松平和守直矩 (なおのり) 」の命令で18軒の鍛冶が集団移転し、三条に鍛冶町という地名が発生した。またこの時代、農家は農閑期に「和釘 (洋釘が輸入される以前から日本にあった釘の総称) 」を作って家計の一助としていたことから、「三条の鍛冶は和釘が起源」と言われることも多い。

天和年間(1681~)に入ると新田開発が活発となり、「鎌」、「鍬」といった農具や、刃物生産に必要な「ヤットコ(鉄ハシ)」などの道具、「ノミ」、「カンナ」、「包丁」など農業以外の生産や生活に必要な刃物の生産も始まる。寛政年間(1789~)には本格的な鍛冶職人の集団地域が形成され、1854年 (嘉永7年) の「役銀納入家数」では全171戸の内、鍛冶屋が54戸という三条の重要産業となった。

こうした三条鍛冶の発展には、当時の主要交通路であった河川による交易の便が良かったこと、鍛冶に必要な炭が近在で取れたこと、また金物問屋の存在が大きな役割を果たしてきた。金物問屋は関東を中心に三条鍛冶製品を売るだけでなく、各地で発見した新製品やニーズを持ち帰り、鍛冶職人に提案を行い、鍛冶職人はそれを造るといった循環が生まれた。

明治・大正時代は多くの地域で災害も発生したことから、復興に必要な道具として三条の鍛冶製品が飛ぶように売れていき、造られる製品も多種多様になっていく。日露戦争時には軍需品の注文で、鋸 (のこぎり) 、鉈 (なた) 、鋏 (はさみ) 、鉞 (まさかり) 、ナイフなどの需要が増加。更に1923年 (大正12年) の関東大震災後には罹災地からの注文が殺到し、三条の名が関東一円に風靡される。

昭和に入ると戦争の激化により平和民需品から軍需製品の製造にシフトされていくこととなる。終戦後、大量生産、大量消費時代を迎え、量産を主とした工場と一貫して手作りを守る鍛冶職人の二極化が進み、鍛冶職人は徐々に減少。問屋制度も力が弱まり、消費者の需要も年々落ち込みを見せる。そのような中でも残った鍛冶屋は岩崎航介らから冶金学を学び、口伝や勘が主流だった鍛冶の技に科学的な知識を加えながら技術を磨いてきた。

三条市内にある金属製品製造業の事業所数は、昭和47年の1845をピークに減少し、平成26年の時点では240にとどまる。しかし、この数字は同年の市内全工業事業所数561のおよそ42.8%にあたり、現代も日本で有数の金属加工の町であることに変わりない (平成26年の数字は従業員4人以上の事業者数)。

2013年からは隣接する燕市と合同での一大工場見学イベント「燕三条 工場の祭典」が開催され、昨年には約35,000人もの来場者数を記録。土地で脈々と受け継がれてきた高度なものづくりの技術が、広く一般に
知られ、新しい地域活性のモデルケースとしても注目を集めている。現在「越後三条打刃物」を作っている事業所はわずかであるが、時代に翻弄されながらも伝統技術を継承した手作りの打刃物は、今も越後三条打刃物職人の手によって確かに受け継がれている。

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