さんち 〜工芸と探訪〜

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わたしの一皿 夏に活躍ツートーンのうつわ

投稿日: 2019年7月5日
産地: 鳥取
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季節ってのは本当に短いものだ。同じ場所にいれば毎年同じ季節を味わえるのだが、こちらは旅人。うっかりしてるとすぐに季節がどこかへいってしまう。みんげい おくむらの奥村です。

GWが終わったころからいつも思い出すのが今日の食材、サワガニ。今はもう閉店してしまったのだけど昔よく行ってた地元の居酒屋で、その時期になるとカウンターに虫かごが置かれ、サワガニが登場していた。

生きたカニをなんと残酷な、と言うなかれ。サワガニは新鮮さが大事なのでこれが普通です。お客さんの目の前に置くかどうかは別としてね。

市場で仕入れた新鮮なサワガニ

今日もいつもの市場で買ってきました。この時期、市場でも何軒ものお店がサワガニを置いています。けっこう地元の居酒屋でメニューにされているんでしょうね。

鳥取県の牛の戸窯のうつわ

今日は鳥取県の牛の戸窯のうつわを用意しました。先月の島根県に続き、今回も山陰のうつわを。

このツートーン。民藝好きの方ならご存知の方も多いのではないでしょうか。先先代、4代目の頃にこのテイストが加わり、現在の6代目の牛の戸窯まで継承されています。

土も釉薬も手作りという昔からのやり方を踏襲し、登り窯焼成。力強いうつわが今も生み出されています。

このうつわ、青緑と黒の色合いがとってもよい。染め分けといって、二色がピシャっと半分に。

それだけを見ると果たして世界中のどこのうつわだろうか、と考えてしまう。このうつわ、世界のどこに出ていっても面白いうつわです。重さも良いのです。しっかりとした重みがあり、軽薄さはない。安心して使える感じがします。

ところが使うとなると案外難しい。何を盛ったら美しいのだろうか。

気にせず使えば、とも言われそうだけど、なんだかビシッとくるものの時以外あんまり使う気がしない不思議なうつわ。

しかしそれが嫌か、というとそんなことはない。何にでも合いますよ、とはお店でよく聞く言葉だが、そんな優等生ばかりが食器棚に並んでいては面白くもない。異端児も必要です。

サワガニを油で揚げている様子

今日もまた料理というほどの料理ではない。素揚げ。このくらいのサイズの揚げ物だと、揚げ油もそんなにいらないし、楽です。

ただし、サワガニの水分をよく拭き取って。油跳ねますからね。

生きたまま揚げるというのはものすごく残酷なことなんだけど、美味しくいただくためには仕方ない。日々、いのちをいただいています。ありがたや。

揚がったサワガニに塩をふる

カラリと揚がったら、塩を振る。こんなもんかな、というよりも少し多めの気分で。味付けはそれだけなので。

敷き紙を敷いて盛り付けをしても、まだこのうつわの個性は健在ですね。おもしろい。今日は結構ビシっと決まったんじゃないかと思います。

 

ところで、今日はうちの坊や(二歳)が面白かった。2月に奄美大島の海岸を散歩した時に出会ったカニは小さかったのに随分ビビってしまって触るどころではなかった。生きたカニにはそれ以来の遭遇。

ほれ、とザルを渡してみたものの、生きたものはやはり触れませんね。遠目で恐る恐る見ています。興味はあるのかな。

鳥取県の牛の戸窯のうつわに盛り付けたサワガニの素揚げ

素揚げになったものもきっとダメだろうなと思ったが、意外や意外、持ち上げて喜んでいます。

食べてみる?と言ったらそれはダメだったけど、大人が目の前でバリバリ食べているのは意外とふつうに見ていた。彼の目には今日の料理はどう映ったんだろうか。

今日のうつわ。難しいとは言ったけど、例えば夏は冷奴とかバッチリです。小エビの唐揚げとかイワシの煮付けとか。

あ、居酒屋の夏メニューばっかりだ。ビールが美味しい時期になってきましたね。それではまた来月。




奥村 忍 おくむら しのぶ
世界中の民藝や手仕事の器やガラス、生活道具などのwebショップ
「みんげい おくむら」店主。月の2/3は産地へ出向き、作り手と向き合い、
選んだものを取り扱う。どこにでも行き、なんでも食べる。
お酒と音楽と本が大好物。

みんげい おくむら
http://www.mingei-okumura.com


文・写真:奥村 忍
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