さんち 〜工芸と探訪〜

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同じに見えて全然違う!ランドセルを作り続ける「大峽製鞄」に聞いた、使いやすさの秘密

投稿日: 2019年4月25日
産地: 東京
編集:
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小学校でおなじみのランドセル。

近年はカラーバリエーションも増え、楽しみの幅も広がりました。

ランドセルの基本的な形は明治時代から100年以上変わっていないのだそう。それは、機能面でも完成されたデザインだったから。

※詳しくは、「ランドセルが箱型の理由は?名前の由来や起源まで大峽製鞄さんに聞きました」をどうぞ。
学習院型ランドセル

初めてランドセルを学校鞄に採用した学習院初等科のランドセル

進化するランドセル

長年、子ども達の学校生活を支えてきたランドセルですが、時代に合わせて変化してきた部分もあります。

前出の50年ほど前のランドセル。錠前ではなくベルト式の開閉でした

50年ほど前のランドセル。開閉部分にベルトが使われていました。現在はより開け閉めしやすい錠前式が一般的になっています

前回、ランドセルの歴史や型について教えてくださった大峽製鞄さん。同社は、ランドセルメーカーの草分けとして、学習院初等科をはじめ、多くの国公私立校の指定ランドセルを手がけてきました。

その大峽製鞄製のランドセルは、年々進化を遂げています。より使いやすく安全なランドセルを研究した結果、ひと目ではわからないところにも多くの工夫が施されました。

オオバランドセルならではの改良と技術のこと、専務の大峽宏造 (おおば こうぞう) さんに伺いました。

専務の大峽さん。まだランドセルが全国に普及していなかった頃から製造に取り組み、学習院初等科をはじめ国公私立校の指定ランドセルを数多く手がけてきた大峽製鞄は、ランドセルづくりの草分け的存在です

専務の大峽さん。大峽製鞄は、皇室の薬箱や有名小学校のランドセルなど手掛けてきた老舗鞄メーカー。これまでに文部大臣賞7回、東京都知事賞11回、通産大臣賞、経済産業大臣賞と数々の賞を受賞。熟練した職人が作り出すランドセルは、高い評価を受けています

より安全に、より軽やかに

「薄暗がりでも車から見えるように、反射材を付けたり、肩ベルトに防犯用具などを取り付けられる金具を付けたりと安全性を高める工夫を加えています。側面には、鋼の細いプレートを1本入れて、軽いまま強度を高めました。上に人が乗ってもつぶれないんですよ。

また販売を続ける中で、小柄だと背中で鞄がグラつくことがあったり、脇腹部分にベルトが食い込んで痛い思いをしたりする子がいると知りました。そこで、ベルトを少しカーブさせて、優しいホールド感でグラつきにくく子どもの体に合う形を研究しました」

体が痛くなく、フィットして背負いやすいようにカーブを加えたベルト

体が痛くなく、フィットして背負いやすいようにカーブを加えたベルト

さらには、背面にクッションを付けて凹凸をつくり、背中にフィットさせ肩にかかる負担を軽減。ムレにくいという利点も生みました

さらには、背面にクッションを付けて凹凸をつくり、背中に沿わせ前かがみにならなくても重心が腰に来るデザインに。肩にかかる負担が減り、より軽く感じるのだそう。凹凸のお陰でムレにくいという利点も生まれました

PCの普及でランドセルのサイズも大きくなった

改良を加える上で、第一に考えることがあるといいます。それは、安全であること。

「近年、PCの普及に伴いA4書類が多くなりました。これに対応して、ランドセルのサイズを大きくする必要が出てきました。以前の大きさだとA4フラットファイルが入らなかったんです。

従来のランドセルは小学一年生の背中に収まるサイズで作られていました。単純に大きくしてしまうと、周りとぶつかったり何かに引っかかりやすくなったり、怪我につながりかねません。

弊社では、背中に当たる部分だけ大きく、フタに向かって幅が従来のサイズに狭まる『台形』にすることを考えつきました。A4のフラットファイルは一番手前に入れて、教科書を順番に並べればこれまで以上にランドセルの中が整頓されます。良いアイデアでした」

台形にすることで、A4ファイルが入りつつ、サイズはコンパクトに

台形にすることでA4ファイルが入りつつ、コンパクトなサイズのままに

ランドセルには鞄作りの全てがある

より使いやすいランドセルへと進化する過程で、部品点数が増えたといいます。その数200余り。従来のランドセルの倍以上です。

組み立ての手間はかかるものの、小さな部品を数多く組み合わせることで耐久性は高まり、総重量を減らすことにもつながりました。

そんな大峽製鞄では、新しく職人が入ると、まずはランドセルづくりの修行をさせるそう。ランドセルづくりには、材料の選定から加工まで鞄づくりの技術すべてが織り込まれているからです。

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