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プラントハンター西畠清順に教わる、日本の園芸 十二ヶ月

10月 ベランダに秋を告げる「ダルマホトトギス」

投稿日: 2017年9月19日
産地: 東京
編集:
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こんにちは。さんち編集部の尾島可奈子です。

日本の歳時記には植物が欠かせません。新年の門松、春のお花見、梅雨のアジサイ、秋の紅葉狩り。見るだけでなく、もっとそばで、自分で気に入った植物を上手に育てられたら。

そんな思いから、世界を舞台に活躍する目利きのプラントハンター、西畠清順さんを訪ねました。インタビューは、清順さん監修の植物ブランド「花園樹斎」の、月替わりの「季節鉢」をはなしのタネに。

植物と暮らすための具体的なアドバイスから、古今東西の植物のはなし、プラントハンターとしての日々の舞台裏まで、清順さんならではの植物トークを月替わりでお届けします。

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◇10月 ベランダに秋を告げる「ダルマホトトギス」

10月はダルマホトトギス。秋を告げる山野草の一種なのですが、夏鳥である「ホトトギス」の名前が付いているのは、花の斑点が胸の模様に似ているところからつけられているそうです。

「ダルマ」の由来はその葉の形から。ぷっくりとした丸い葉を見立てたのですね。育っても大きくはならないのが特徴で、9月下旬〜10月にかけて赤紫色の花を咲かせます。

「ホトトギス」の名前の由来となった斑点が鮮やかです (写真:夏海)

「ホトトギス」の名前の由来となった斑点が鮮やかです (写真:夏海)

この連載で、ダルマホトトギスがなぜ10月の季節鉢に選ばれたのか、だんだん私にもわかってきました。時々清順さんが語られる、日本人が昔から愛し育ててきた「ミニマルな世界観」が、宿っているようにも思うのです。

ぷっくりとした葉が立体的でかわいらしい。小ぶりな鉢植えが似合います

ぷっくりとした葉が立体的でかわいらしい。小ぶりな鉢植えが似合います

「坪庭文化や盆栽のような、小さな空間で植物を愛でる文化は江戸時代に発達しました。なぜ生まれたのか。本当ならお殿様は、外で雄大な景色を楽しみたいわけですよね。ところが城から一歩外に出たら、命を狙われるかもしれない。

塀に囲われた自分の敷地の中にどれだけ雄大な景色を持たせるかを考えた時に、本来なら大きく育ててこそかっこよくなる松を、剪定して剪定して、小さな世界で愛でたんです。だから盆栽が生まれた。狭い空間の中に、雄大な景色を見ていたんですね。

かたや、ヨーロッパの貴族のお城は、広大な土地をどうやって埋めるかでしょう。まったく視点が逆なんです。時代ごとの背景によってその庭の様式も、植物を愛でる文化も変わっていきます。

じゃあ現代はどうかというと、一軒家よりも庭のないマンションに住む人が増えていますよね。けれど本格的な盆栽をじっくり育てる時間もなかなかない。だから今の暮らしには、こういうミニマルな世界観を持ちながら手軽に育てられるような植物が、ぴったりだと思っています。

それじゃあ、また来月に」

<掲載商品>

花園樹斎
植木鉢・鉢皿
・10月の季節鉢 ダルマホトトギス(鉢とのセット。店頭販売限定)

季節鉢は以下のお店でお手に取っていただけます。
 中川政七商店全店
 (東京ミッドタウン店・ジェイアール名古屋タカシマヤ店・阪神梅田本店は除く)
 遊 中川 本店 
 遊 中川 横浜タカシマヤ店
 *商品の在庫は各店舗へお問い合わせください

——

西畠 清順
プラントハンター/そら植物園 代表
花園樹斎 植物監修
http://from-sora.com/

幕末より150年続く花と植木の卸問屋「花宇」の五代目であり、そら植物園 (株) 代表取締役社長。
日本全国、世界数十カ国を旅し、収集している植物は数千種類。国内外含め、多数の企業、団体、行政機関、プロの植物業者等からの依頼に答え、さまざまなプロジェクトを各地で展開、反響を呼んでいる。
著書に「教えてくれたのは、植物でした 人生を花やかにするヒント」 (徳間書店) 、「そらみみ植物園」 (東京書籍) 、「はつみみ植物園」 (東京書籍) など。
花園樹斎
http://kaenjusai.jp/

「“お持ち帰り”したい、日本の園芸」がコンセプトの植物ブランド。目利きのプラントハンター西畠清順が見出す極上の植物と創業三百年の老舗 中川政七商店のプロデュースする工芸が出会い、日本の園芸文化の楽しさの再構築を目指す。日本の四季や日本を感じさせる植物。植物を丁寧に育てるための道具、美しく飾るための道具。持ち帰りや贈り物に適したパッケージ。忘れられていた日本の園芸文化を新しいかたちで発信する。
文:尾島可奈子
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