さんち 〜工芸と探訪〜

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わたしの一皿

沖縄 まさひろ工房の窯出しへ

投稿日: 2018年2月23日
産地: 沖縄
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冬の沖縄はけっこう寒い。体や脳が勝手に”暖かいだろう沖縄”を想像しているからなんだと思う。実際の気温は関東に比べたらずいぶん高いのに、体は寒いと感じている。不思議なもんですね。みんげい おくむらの奥村です。

今月は我が家を飛び出して、旅先のこと。1月末の沖縄、「まさひろ工房」仲村まさひろさんのところの窯出しにでかけました。仲村さんは沖縄読谷村の北窯に学び、20年ほど前に独立し、自らの窯を自らの手で築きました。

生まれも育ちも沖縄。沖縄で初めて人間国宝になった陶工金城次郎さんにあこがれ、次郎さんの焼き物のような焼き物を目指している。土、釉薬、薪、すべて沖縄の素材から。

窯出しの日も寒かった。くもりときどき雨。さとうきび畑も海もちょっと寒々しいが、年に一度か二度しか焼かれない窯の窯出しに気持ちはぽかぽか興奮している。

曇り空の沖縄の海

40時間にも及ぶ登り窯の窯焚きは5日ほど前に終わっていて、そのまま自然に冷まされているものの、窯の内部は場所によってはまだうつわを素手で触れないほど熱気がこもっている。

沖縄にあるまさひろ工房の工房内

1300度近くまで温度が上がった窯のエネルギーがまだそこにあるよう。窯の口を開け、少しずつうつわが取り出され、およそ半日で窯出しは完了。1000点を超えるうつわが工房に並ぶその姿は壮観。

沖縄にあるまさひろ工房の工房内

仲村さんのうつわは沖縄らしいどっしりさ、そして懐かしさや温かみを感じられる。沖縄の現代のうつわとしては地味な方だと思うが、それがかえって他の産地のうつわとも組み合わせやすいと思う。

沖縄の焼き物に詳しい人が古い焼き物と勘違いすることがあるのは、昔からの素材を使ってていねいに、昔の人たちのような気持ちで作っているからなんだろう。

多くのうつわ好きな人にぜひこの工房の、こんな姿を見てもらいたいと思うけど、ここは1人工房。残念ながら売店もなければ、作業場への一般の方の立ち入りはできません。

沖縄にあるまさひろ工房の釜出しの様子

ならば手にとって、そのうつわを使って食事ができるところをご紹介したい。

那覇市の中心部、泉崎。ここに「味噌めしや まるたま」というお店があります。同じ那覇の首里にある老舗「玉那覇味噌」の味噌を使った味噌料理を出すお店。こちらでまさひろ工房のうつわが使われています。

味噌めしや まるたまの店内

この日は味噌を使ったハヤシライスがある、ということでそれをいただくことに。実は結構この店は通っていてほぼほぼのメニューを食べているので今日はちょっと変化球。
ハヤシライスはまさひろ工房の八寸皿にドンと盛られて出て来ました。おー。きれい。

味噌めしや まるたまのカレー

家で使うなら七寸皿でもよいけれど、八寸だと見映えがしてお店っぽい。味噌のコクがあって濃厚なハヤシライス。たまにはいい。

こういった見栄えのする染付けの皿は意外と何にでも使えるし、地味な色の料理もこうして明るく見せてくれるもので、一枚でもずいぶんと存在感がある。仲村さんのうつわの一つの特徴である重さを感じてもらいたい。このお皿、ズシッときますよ。

ところでこちらのお店。初めての方にはぜひ味噌汁の定食を頼んでもらいたい。沖縄で味噌汁というと大きな丼に具沢山の味噌汁がドンと。そしてご飯や小鉢がつく、味噌汁がメインの定食です。

こちらの店ではこだわりの豚肉がたっぷり入った、ご飯がすすむ味噌汁がまさひろ工房のマカイ(碗)に入ってでてきます。今も日常に当たり前にある沖縄の普通の食事。いいんですよ、味噌汁。ここでは朝から食べられるのも旅人には嬉しいところ。

うつわが産まれる場所と、その土地で産まれたうつわが使われる場所。その2つをうつわの選び手(いや、食いしん坊)がつなぐ。こんなのも「さんち」らしくてまたよかろうかな。



<取材協力>
味噌めしや まるたま
沖縄県那覇市泉崎2-4-3 1F
営業時間 7:30-22:00 (木曜7:30-14:00)
定休日 日曜 (終日)・木曜 (14時まで営業)
電話 098-831-7656



奥村 忍 おくむら しのぶ
世界中の民藝や手仕事の器やガラス、生活道具などのwebショップ
「みんげい おくむら」店主。月の2/3は産地へ出向き、作り手と向き合い、
選んだものを取り扱う。どこにでも行き、なんでも食べる。
お酒と音楽と本が大好物。
みんげい おくむら
http://www.mingei-okumura.com
文・写真:奥村 忍
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