さんち 〜工芸と探訪〜

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プラントハンター西畠清順に教わる、日本の園芸 十二ヶ月 1月の梅、2月の木瓜

産地: 未分類
投稿日: 2017年1月26日
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こんにちは。さんち編集部の尾島可奈子です。
日本の歳時記には植物が欠かせません。新年の門松、春のお花見、梅雨のアジサイ、秋の紅葉狩り。見るだけでなく、もっとそばで、自分で気に入った植物を上手に育てられたら。そんな思いから、世界を舞台に活躍する目利きのプラントハンター、西畠清順さんを訪ねました。インタビューは、清順さん監修の植物ブランド「花園樹斎」の、月替わりの「季節鉢」をはなしのタネに。「今の時期のおすすめ植物は?」「わたしでも育てられますか?」など植物と暮らすための具体的なアドバイスから、古今東西の植物のはなし、プラントハンターとしての日々の舞台裏まで、清順さんならではの植物トークを月替わりでお届けします。

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日本の植物は四季で劇的に変わっていきます。海外に比べると落葉樹がすごく多いから、春になったら花が咲いて、そのとなりで次の季節の植物が芽吹いて。季節を告げる花がたくさんある。だから花園樹斎でも、月ごとに違う植物の「季節鉢」ができるんです。人の手に取ってもらうものだから、選ぶのは育てやすさも考えながら。1月は梅、2月は木瓜(ぼけ)を選びました。

◇1月「梅」

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1月の梅はまさに「松竹梅」、新春のおめでたいイメージです。浮世絵にも、正月に梅を買う女の人が描かれていたりします。梅を愛でる文化は、元々は中国から入ってきたものなんですね。桜にとって変わられるまでは、昔の日本でお花見といえば梅でした。

◇2月「木瓜」

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2月の季節鉢に選んだ木瓜は個人的にすごく好きな植物で、ずっと花園樹斎に入れたいと思っていました。園芸植物に比べて、野性味が強い。いくら切っても新芽が出てきて、生命力が強いんです。剪定に強いので、盆栽の材料にもよく使われてきました。きれいな花をつけるんですが、実を食べられるので、昔から薬用にも重宝されていた植物です。さらには酒にもなる。万能なんです。江戸時代に入ってから爆発的な人気になって、当時200種類ほどの園芸品種が生まれたと伝わっています。外で育てる植物ですが、土質もあまり選ばなくて、管理がしやすいのも特長ですね。

◇わたしでも、育てられますか?

もし、植物をうまく育てられるか心配だったら、枯らしちゃったらかわいそうと思わずに、枯らしてもいいから付き合いたいな、と思うこと。枯らしてしまうことは確かに悲しいことなんですけど、枯らすのが嫌だから付き合わないよりは、付き合ってみて、何で枯れたんだろう、何で今年は花が咲いたんだろうと思うことが、すべての始まりですよね。だから、遠慮しないことですよ。

「育てられるかな、育てられないかな」よりも、枯れてもいいから「自分へのご褒美に買いたい」「プレゼントしてあげたい」「今年は身近で植物を感じてみたい」「ボケなら私でもできるかな」とか、そういう楽な気持ちで付き合っていくのがいいと思います。それじゃあ、また来月に。

(ひとこと)
おれがこの仕事をし始めたのは21歳ぐらいの、ちょうど1月なんです。年始から始まりました。働いた初日、木にのぼって枝を切った時に思ったんです。「これ、一番になれる自信がある」と。その日から今日に至るまで、1ミリもゆるぎなくそれを思ってます。


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<掲載商品>
花園樹斎
植木鉢
鉢皿
・植物(鉢とのセット):以下のお店でお手に取っていただけます。
 中川政七商店全店
 (阪神梅田本店・東京ミッドタウン店・ジェイアール名古屋タカシマヤ店は除く)
 遊中川 本店 
 遊中川 神戸大丸店
 遊中川 横浜タカシマヤ店
 *商品の在庫は各店舗へお問い合わせください

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西畠 清順
プラントハンター/そら植物園 代表
花園樹斎 植物監修
http://from-sora.com/

幕末より150年続く花と植木の卸問屋、花宇の五代目。
日本全国、世界数十カ国を旅し、収集している植物は数千種類。日々集める植物素材で、国内はもとより海外からの依頼も含め年間2,000件を超える案件に応えている。2012年、ひとの心に植物を植える活動「そら植物園」をスタートさせ、植物を用いたいろいろなプロジェクトを多数の企業・団体などと各地で展開、反響を呼んでいる。著書に『教えてくれたのは、植物でした 人生を花やかにするヒント』(徳間書店)、『プラントハンター 命を懸けて花を追う』(徳間書店)、『そらみみ植物園』、『はつみみ植物園』(東京書籍)
花園樹斎
http://kaenjusai.jp/

「”お持ち帰り”したい、日本の園芸」がコンセプトの植物ブランド。目利きのプラントハンター西畠清順が見出す極上の植物と創業三百年の老舗 中川政七商店のプロデュースする工芸が出会い、日本の園芸文化の楽しさの再構築を目指す。日本の四季や日本を感じさせる植物。植物を丁寧に育てるための道具、美しく飾るための道具。持ち帰りや贈り物に適したパッケージ。忘れられていた日本の園芸文化を新しいかたちで発信する。
聞き手:尾島可奈子
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