さんち 〜工芸と探訪〜

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これからの嫁入り道具

金婚式まで一緒にいたい。50年使えるお掃除道具「鹿沼箒」

投稿日: 2018年6月10日
産地:
編集:
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季節はジューンブライド。週末に結婚式の予定が続く人もいるかもしれませんね。

さて、嫁入り道具と聞いて、みなさんは何を思い浮かべますか?

かつての嫁入り道具といえば、大きな桐のタンス一式に豪華な着物、立派な鏡台、寝具は客用も含めて一式。すべてが収められる食器棚と来客用の食器やカトラリーなどなど。

こうした伝統的な婚姻儀礼としての「嫁入り道具」は、現代のライフスタイルに合いづらくなってきているとはいえ、道具自体を何も用意しないのはなんだか味気ないものです。

一生に一度のことですから頼もしい「嫁入り道具」があれば、新生活もより前向きになれるはず。これを機に“一生もの”といえるようなちょっと憧れの生活工芸品を選んでみてはいかがでしょうか。

儀礼にとらわれず、等身大の目線で、今、あげたい、もらいたい、買いたい嫁入り道具を選びました。

一生もののお掃除道具、鹿沼箒

栃木県鹿沼市が産地の「鹿沼箒(かぬまほうき)」は、1841年頃からつくり始められ嫁入り道具とされてきました。日常で使う道具として重宝されただけでなく、はまぐり型の付け根、麻模様の刺繍がめでたいとされたためです。

子宮を表現しているとも言われる蛤には「子宝に恵まれますように」、ぐんぐんと成長する麻には「子供が健やかに成長しますように」とそれぞれ願いが託されています。

特徴であるぷっくりした蛤型と、麻の模様が二重でめでたい

その独特な形状は、良質なほうき草がとれる水はけのよい鹿沼の土、箒屋千軒と言われるほどたくさんあった箒屋、日光東照宮建設の折に集まった優秀な職人によって育まれたものです。以前は、箒をつくる速さと美しさを競うコンテストも催されていました。

数少ない鹿沼箒の職人、丸山早苗さん

柄の付け根をつくる際には、一般的な箒ではほうき草を「組む」と言いますが、鹿沼箒は草の皮を割いた上でそれを「編む」と言います。編み込まれているため、丈夫で30年50年と使い続けられます。

“心の穢れを掃く”とも言われる箒とともにこれからの毎日を歩み始めれば、仲良く金婚式だって迎えられそうな気がしますね。

ほうき草の皮を割いていく繊細な作業で丈夫な箒ができあがる

長年使い続けると箒が徐々に減って短くなりますが、止め糸を解くだけで箒が半分ほどに減っても使い続けることができます。頑張った証が刻まれていくようで、お掃除にも念が入ります。

鹿沼のおばあちゃんはとても短くなった箒を使っているそう

「美しいこと」を追求した鹿沼箒は、お掃除するとき目に入る箒の“表面”がより美しく見えるように作られています。右手で持った時、三角に飛び出た“ミミ”が上に来るのが表の目印です。毎日のお掃除が楽しみになるようなちょっとした工夫が嬉しいですね。

毎日、美しい編みや柄を見ながらお掃除ができるのが嬉しい

お気に入りの一本を職人さんから買う。よく見て、よく掃く。そんな単純なことで、日々の暮らしが豊かになっていきそうです。これから始まる新しい暮らしが、鹿沼箒でより素敵な毎日になりますように。

<取材協力>
きびがら工房
栃木県鹿沼市村井町229-10
0289-64-7572

文:田中佑実
写真:西木戸弓佳

*2017年11月21日の記事を再編集して掲載しました。蒸し暑い日が続きますが、箒でお掃除をしたら、気分もさっぱり、晴れ晴れしそうですね。
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