さんち 〜工芸と探訪〜

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京都が生んだ「日本初」の万年筆インクは、楽しい実験から生まれた TAG STATIONERY「文染」

投稿日: 2019年4月4日
産地: 京都
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この春、文房具好きにはたまらないアイテムが誕生しました。

京都の染め文化が生んだ、日本初の「草木染めの万年筆インク」。

tag stationary 文染

「文染 (ふみそめ)」という美しい名前のインクは全部で「藍」「葉緑」「梔子 (クチナシ) 」「地衣」の4種類。

tag stationary 草木染めの万年筆インク「文染」

名前そのままの天然素材から、色を抽出しています。草木染めで作った万年筆インクは、日本初とのこと。

生まれたのは京都。

それぞれ違う立場にある三者が運命的に出会って仕掛けた、これはひとつの壮大な「実験」だと言います。

仕掛け人に聞く、「草木染めの万年筆インク」開発秘話

とある会議室に集まっていただいた3名の男性。

tag stationary 文染
tag stationary 文染

業界初である「草木染め」の染料を使った万年筆インクの、仕掛け人の皆さんです。

呼びかけ人はこの方、森内孝一さん。

森内孝一さん

京都の文具店が前身の文具・雑貨メーカー「TAG STATIONERY」で、商品企画マネージャーをされています。

TAG STATIONERYの本店があるのは、京都室町。染色文化が色濃く残るエリアです。

「そういう京都の文化を汲んだ文房具を作りたくて、はじめ合成染料で日本の伝統色を表現した万年筆インクを開発していました。

色味の再現をお願いしてしたのが、高橋さんです」

森内さんが頼ったのは同じく室町に構える「京都草木染研究所」顧問、高橋誠一郎さん。「草木染めの万年筆インク」2人目の仕掛け人です。

高橋誠一郎さん

TAG STATIONERYと京都草木染研究所は立地的にもご近所の間柄。

同じ染め文化の町に生きる者同士、森内さんは前作の開発段階から、高橋さんにこんな話をするようになりました。

「どうせなら、いつか草木染めに使う天然染料でインクを作りたいですね」

京都の染織業界で、職人たちからも頼りにされる「色」のスペシャリスト高橋さんの、最初の反応はしかし、「難しい」でした。

草木染め研究のスペシャリスト

「洗濯機が家庭に普及してから、日本の染め物は洗っても色落ちしない合成染料主流にガラリと変わりました。

その中で付加価値を出すために『天然染料で染めたい』という相談はたくさんいただくのですが、色の持ち具合や発色の良さでは、合成染料に負けてしまいますからね」

tag stationary 草木染めの万年筆インク「文染」

「使用にかなう天然染料の研究は、40年、50年とずっと続けて来ました」

高橋さんの著書

高橋さんの著書

見せていただいた倉庫には膨大な色の「素」が

見せていただいた倉庫には膨大な色の「素」が

定年となる年齢を越えても、周囲の要望から研究を続けてきた高橋さん。今でも常時、20種類以上の染料の開発を同時進行で手がけているそう。

高橋さん

しかし、長年の取り組みの中でも、紙に着色させる草木染めのインク開発は研究者として初めてのことでした。

tag stationary 草木染めの万年筆インク「文染」

「天然染料で作るインク」がなぜ難しいのか?

草木染めに使う天然染料のほとんどは、そのままでは透明に近い色。

通常の染織は、生地に浸した液体の染料を化学反応で水に溶けない性質に変化させ、繊維に固着させることで色をつけます。

tag stationary 草木染めの万年筆インク「文染」

しかしインクは、液体でなければ使えない。しかも紙の上で、天然の成分が長期間、色褪せずに持つだろうか。

高橋さんの研究ノート

高橋さんの研究ノート

液体のまま着色させる染めノウハウもあるものの、液が強い酸性になるため、きっと万年筆のペン先を痛めてしまう。

「これは全く新しい技術開発になる」

染めを熟知する高橋さんだからこそ、「天然染料で作るインク」の難しさが見えていました。

「でも技術者として、相談を受けたら何でもやりたいほう。難しくても、ニーズがあるのならつい、やってしまう性格なんです」

高橋誠一郎さん

いつか、どこかから相談が来た時にはすぐ応えられるよう、日々の研究で得たノウハウは常にストックし、一番最初に依頼に来た人にだけ、ふさわしいアイデアを提供することにしています。

「難しい。でも、チャレンジしてみようか」

tag stationary 草木染めの万年筆インク「文染」

こうして、それまで誰も成功したことのない「草木染めの万年筆インク」の開発が始まりました。

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