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陶磁器の耐熱温度はなぜ高い?直火OKのお皿を生み出したプロを訪ねる

投稿日: 2018年10月10日
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三重県の萬古焼メーカー〈かもしか道具店〉さんに学ぶ、陶磁器の基礎

お皿‥‥と一口にいっても、プラスチック、木、ガラス、陶器、磁器‥‥とその素材はさまざま。今回はその中でも、焼き物・陶磁器についての話です。

同じ陶磁器でも、オーブンにかけられるものもあれば、ダメなものもあります。耐熱温度には差があります。その違いは何なのでしょう。

素材?分厚さ?製法?

三重県菰野町の「かもしか道具店」に、オーブンどころか、直火にかけられるお皿があると聞き、足を運んでみました。

三重県菰野町のかもしか道具店

田園に囲まれた自然豊かなロケーションに佇む「かもしか道具店」。おしゃれなロゴが目を引きます

陶磁器は大抵がレンジ対応。耐熱温度が高いわけ

「大抵の陶磁器は電子レンジで使えます。そもそも陶磁器は、つくるときに約1200度の温度で焼くので、ある程度の耐熱性があるんです。

ただ、オーブンや直火だとダメなものも。それは土や釉薬(※)など、素材によって耐熱性が変わるからです」と話してくれたのは、「かもしか道具店」主宰の山口典宏さん。

※釉薬(ゆうやく、うわぐすり)とは
陶磁器をつくる際、成形した器の表面にかける薬品のこと。ガラス質のコーティング剤。
コーティングすることで強度を強くする、汚れを付きにくくする他、色付けや光沢だしなど装飾の意味もある。

「山口陶器」の代表取締役でもある山口さん

萬古焼の窯元「山口陶器」の代表取締役でもある山口さん

直火OKな陶磁器。驚異の耐熱温度のひみつは土

日本で初めてつくられた直火OKなお皿は、実は三重県四日市市や菰野町で作られる陶磁器、萬古焼 (ばんこやき) 。

三重といえば伊賀焼の土鍋が有名ですが、萬古焼の土鍋も、古くからつくられてきました。

その過程でいつしか「割れない土鍋」をつくる研究が始まり、昭和30年代後半、原料メーカーと民間企業によって“直火でも割れない土”が開発されたのです。

その鍵となっているのが、「ペタライト」という原料。

高い耐熱性で知られる鉱物のひとつで、陶磁器の土、釉薬に一定量加えることで、通常よりも高い耐熱・耐衝撃性を示すことが確認されています。

今まで使っていた陶磁器の土にペタライトを配合することで、直火でも割れない土鍋の開発に成功。その後は、グラタン皿など土鍋以外のお皿も手がけていったそう。

かもしか道具店の土鍋

ジンバブエで採取されるペタライト。商品にもよりますが、山口さんが手がける耐熱食器にはペタライトを50%配合しています

お皿が割れる原因は急激な温度変化にあり

そもそも、なぜお皿がオーブンや直火で割れてしまうのか?

主な原因は温度差。オーブンや直火によって低温から高温へと急激に温度が上昇したり、部分的に高温になることで割れてしまうのだそう。

ただ、商品を見ただけではペタライト入りかどうかは、見分けがつきません。
「耐熱」表示を頼るしか、見分ける術はなさそうです‥‥!

かもしか道具店の陶磁器

ペタライトを土に配合する際には、釉薬にも配合します。そうしないと窯で焼くときに土と釉薬が同じように縮まず、割れてしまうからです。

そのノウハウを持つのも、ペタライト配合の土を開発した萬古焼産地ならではです。

耐熱温度の高さゆえ生まれる、陶磁器のバリエーション

「かもしか道具店」で扱っている陶磁器はどれも耐熱皿で、バリエーションも豊富。

これら平皿でさえ、見た目に反して直火OKなんです。

そんな直火OKの陶磁器の魅力は、遠赤外線により芯から食材に火が通ることと、その後も料理が冷めにくいこと。

朝パパッと目玉焼きをつくってそのまま食卓に出したり、夜に炒めもののワンプレートをつくったり。

料理が冷めにくいから、遊ぶことに夢中になっている子どもに「冷めちゃうから早くごはん食べなさい!」と怒ることも、少なくなるかもしれません。

かもしか道具店の陶のフライパン

<取材協力>
かもしか道具店
三重郡菰野町川北200-2
059-393-2102
https://www.kamoshika-douguten.jp/


文:広瀬良子
写真:西澤智子

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