さんちのオススメ産地 23 高知県
概要
海、山、川の豊かな自然と温暖な気候に恵まれた地
四国の南部、太平洋に面して扇状の形をしている高知県。北緯33度33分、東経133度33分に位置することから、高知市弥生町に「地球33番地」の標示塔が建てられている。
県の北側には標高1,000m以上の四国山地が連なり、県総面積の 84%が山林と、森林面積割合は全国一位。山々を源流に、四万十川をはじめ、仁淀川、物部川、安田川など清流が多く流れる。
冬の日照時間が長く温暖な気候だが、降水量も多く温暖多湿。暖流である黒潮により、アコウやビロウなど亜熱帯植物が自生している。
海、山、川の豊かな自然と温暖な気候に恵まれ、農業、漁業、林業が盛ん。高知平野では早場米が収穫され、古くから野菜のハウス栽培も行われている。海ではマグロ、カツオが、川ではアユ、川エビ、うなぎが獲れる。
高知市内では火、木、金、日に朝から夕方まで街路市が開かれ、地元の新鮮な食材を求め、多くの人出で賑わう。江戸時代より続く日曜市は、1.3キロに約430店舗が軒を並べ、終日路上で開かれる市としては日本一の規模を誇る。
1954年に当時の不景気風を吹き飛ばし、市民を元気づけようと始まった「よさこい祭り」は、県内外から2万人もの踊り子が参加し、昼夜にわたって街が熱気に包まれる夏の風物詩となっている。
歴史
反骨精神の歴史から生まれた幕末の志士
かつては「土佐国」、また「建依別(たけよりわけ)」とよばれていたが、1871年の廃藩置県において「高知藩」とされたのを受け継ぎ「高知県」となった。
古代からの土佐国、土佐藩にほぼ一致し、「一県=一藩=一国」の歴史を持つことからも、県人は郷土愛が深いといわれる。
県内には、宇須々木遺跡や池ノ上・楠山遺跡などいくつかの旧石器時代の遺跡があり、12,000年以上前から人々が暮らしていたことがわかっている。
戦国時代には、別格といわれた一条氏をはじめ、本山氏・安芸氏・大平氏・津野氏・吉良氏・香宗我部氏・長宗我部氏ら「土佐の七雄」が権力を争っていた。
長宗我部氏が土佐を統一するが、その後、関ヶ原の戦いで西軍に味方して破れたことから長宗我部氏に代わり、山内一豊が入国した。しかし、他国からの上士と、長宗我部氏の家来だった郷士に分かれ、その身分格差が厳しかったことが反骨精神となり、幕末には坂本龍馬をはじめとした多くの志士を輩出したとも言われる。
明治維新には板垣退助らが自由民権運動を起こしたことから、「自由は土佐の山間より」とうたわれ、県のシンボル的な言葉として、県詞にもなっている。
高知県人を言い表す言葉に「いごっそう(豪快、頑固者)」「はちきん(男勝りの女性)」がある。温暖な気候と反骨精神の歴史から育まれた県民性といえる。
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