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金沢「加賀八幡起上り人形」とは?市民に愛される郷土玩具でめぐる旅 金沢「中島めんや」で絵付け体験、「金沢 うら田」でもなかをお土産に

投稿日: 2018年5月13日
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赤い姿で丸くかわいらしいこの人形は、金沢の「加賀八幡起上り(かがはちまんおきあがり)」。

金沢市の希少伝統工芸に指定されており、縁起ものとして親しまれてきた郷土玩具です。たしかに、なんだか福のあるお顔立ち。おなかに松を抱えこみ、竹や梅の絵も描かれていていかにも縁起がよさそうです。

今回は、加賀八幡起き上がりのことを知るために石川県金沢市を訪ねることにしました。

金沢の郷土玩具専門店「中島めんや」へ

金沢には「加賀八幡起上り」のほか「加賀人形」や「米食いねずみ」などの郷土色豊かな人形が数多くあり、城下町金沢の暮らしが人形によって伝えられているともいわれています。この愛らしい人形たちを作っている郷土玩具店「中島めんや」を訪ねました。

この日は雪。白い景色のなかでよく目立つ、歴史ある黒い建物が「中島めんや」です。

この日は雪。白い景色のなかでよく目立つ、歴史ある黒い建物が「中島めんや」です。

木を彫り込んだ歴史ある看板。

木を彫り込んだ歴史ある看板。

お話を聞かせてくださったのは、7代目にあたる中島祥博(なかしま・よしひろ)さん。

「中島めんや」の創業は文久2年(1862年)、江戸の幕末の頃。創業当時は、村芝居に使われるようなお面や小道具などを作っていたことから「めんや」という屋号になりました。そののち明治時代からは、加賀伝統の郷土玩具や人形も取り扱うようになったといいます。

このような木型に紙を重ねて貼り、糊が乾いてから木型から抜くという「張り子」でお面をつくっていました。

このような木型に紙を重ねて貼り、糊が乾いてから木型から抜くという「張り子」でお面をつくっていました。

当時、お面は村芝居で活躍。こちらは最近のものですが、近ごろは大衆演劇や地方巡業をするお芝居が観られる場も少なくなってきました。

当時、お面は村芝居で活躍。こちらは最近のものですが、近ごろは大衆演劇や地方巡業をするお芝居が観られる場も少なくなってきました。

人気の郷土玩具「米食いねずみ」は、カラクリ人形の影響を受けてつくられた人気の郷土玩具。竹の部分を押さえると、チョコチョコとすばしこく巧妙な動きで米を食べるのです。これで遊ぶとお金が増えるのだとか!

人気の郷土玩具「米食いねずみ」は、カラクリ人形の影響を受けてつくられた人気の郷土玩具。竹の部分を押さえると、チョコチョコとすばしこく巧妙な動きで米を食べるのです。これで遊ぶとお金が増えるのだとか!

7代目の中島祥博さん。学校を出てすぐにこの道に入られたのだそう。

7代目の中島祥博さん。学校を出てすぐにこの道に入られたのだそう。

加賀八幡起上りのこと、教えてください。

さて、本題の「加賀八幡起上り」ですが、どういうものなのでしょう?

———全国に「八幡宮」という名前の神社があるでしょう?八幡さんというのは第15代の応神天皇をおまつりしている神社のことでね。昔、加賀に一国一社の八幡宮があったんですが、八幡さん(応神天皇)がお生まれになったとき、深紅の真綿で包まれてお顔だけを出した姿だったそうで。あるお爺さんが、この姿を形取った人形をつくり、子ども達に与えて幸せを祈ったというのが始まりなんですよ。

と中島さんが教えてくださいました。

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当時、加賀百万石藩主の積極的な工芸振興策によって藩には細工所が設けられ、京や江戸の一流作家たちの手によって技術の伝習が行われたのだといいます。そして、この人形をタンスにしまっておけば子ども、特に女の子の衣装に不自由しないという言い伝えもありました。

その由緒から、この地方では古くから子どもの誕生を祝うときや婚礼のお祝いとして、「加賀八幡起上り」を贈ることが習わしになったのだそうです。また、「起上り」という縁起の良い言葉にちなんで、新年や節句の贈りものや、お見舞いなどにもよく用いられているのだとか。

色とりどりの人形もつくられていますが、やはり朱色のものが圧倒的に人気。

色とりどりの人形もつくられていますが、やはり朱色のものが圧倒的に人気。

店内では、大正〜昭和につくられた古い人形も展示されています。

店内では、大正〜昭和につくられた古い人形も展示されています。

こちらは変わり種、手招きしている起上り。ダルマそのものの人形もありました。すべて当時の作家さんのものです。

こちらは変わり種、手招きしている起上り。ダルマそのものの人形もありました。すべて当時の作家さんのものです。

さて、この「加賀八幡起き上がり」はどのようにつくられているのかというと、これもお面と同じように張り子の手法でつくられています。

木型に紙を貼って形づくったものに、胡粉を塗ります。胡粉というのは白色の顔料で貝殻を粉にしたもの。これを膠(にかわ)と混ぜて溶かして3〜4回重ね塗り硬く強くした上から、彩色していくのです。

昔はたくさんの人が携わっていましたが、今では職人さんは3人ほどになってしまったのだそう。つくり手もとても貴重な存在なんですね。

少し古いものなので割れてしまっていますが、これが加賀八幡起き上がりの木型。

少し古いものなので割れてしまっていますが、これが加賀八幡起き上がりの木型。

こちらは昔実際に使われていた大きな木型!お顔がリアルでございます。30センチぐらいあり、ずっしり!今はお店に展示してあります。

こちらは昔実際に使われていた大きな木型!お顔がリアルでございます。30センチぐらいあり、ずっしり!今はお店に展示してあります。

胡粉を塗って乾かします。下から棒をさして作業しやすく。

胡粉を塗って乾かします。下から棒をさして作業しやすく。

中島さんの娘さん、八依(やえ)さんがちょうど彩色作業をしていました。この仕事に携わって3年。幼い頃からいつも近くにあったという「加賀八幡起上り」にはとても愛着があるそう。

中島さんの娘さん、八依(やえ)さんがちょうど彩色作業をしていました。この仕事に携わって3年。幼い頃からいつも近くにあったという「加賀八幡起上り」にはとても愛着があるそう。

近くで見ているだけでも息をのみます。松・竹・梅を描いて縁起良く。

近くで見ているだけでも息をのみます。松・竹・梅を描いて縁起良く。

たくさん並ぶ姿、なんともかわいらしいです!

たくさん並ぶ姿、なんともかわいらしいです!

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