さんち 〜工芸と探訪〜

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さんち必訪の店

全国から工芸好きが訪れる、器や生活雑貨を扱うセレクトショップ「objects」

投稿日: 2017年10月16日
産地:
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こんにちは。ライターの小俣荘子です。

「さんち必訪の店」とは、産地のものや工芸品を扱い、地元に暮らす人が営むその土地の色を感じられるお店のこと。 必訪 (ひっぽう) はさんち編集部の造語です。産地を旅する中で、みなさんにぜひ訪れていただきたいお店を紹介していきます。

今回は島根県松江市にある、器と生活道具の店「objects (オブジェクツ) 」。

店内のモチーフは「船室」。商品が並ぶ棚まで手仕事の技

JR松江駅から歩くこと13分ほど。宍道湖 (しんじこ) へと流れ込む大橋川のほとりに位置します。

大橋川に掛かる橋を渡り、柳がそよぐ川沿いを少し歩くとお店が現れます

大橋川に掛かる橋を渡り、柳がそよぐ川沿いを歩くと程なくしてお店が現れます

歴史を感じる趣きを持ちつつ、どこかモダンな石造りの建物。中に入る前から心が踊ります

歴史を感じる趣きを持ちつつ、どこかモダンな石造りの建物。中に入る前から心が踊ります

木枠に厚手のガラスがはめ込まれた懐かしい雰囲気の扉を押して中に入ると、「こんにちは、いらっしゃいませ」と店主の佐々木創(ささき・はじめ)さんと、陽子 (ようこ) さんご夫婦に暖かく迎えられます。軽やかな音楽が流れる店内をまずはゆっくり拝見することに。

大きな窓から柔らかく差し込む陽の光が商品を照らしていました

大きな窓から柔らかく差し込む陽の光が商品を照らしていました

埼玉県出身の佐々木夫妻。もともとはテーラーだったこの地で2011年にobjectsをオープンしました。現代の作り手の作品を中心に、陶器、ガラス、木工、織物といったさまざまな工芸品を扱っています。

船室をイメージして作られたという店内のしつらえ。改装時もほぼ手を加えずにそのままの内装を使っているのだそう

船室をイメージして作られたという店内のしつらえ。改装時もほぼ手を加えずにそのままの内装を使っているのだそう

地元松江市を代表する窯元のひとつ「湯町窯」で作られた器

地元松江市を代表する窯元のひとつ「湯町窯」で作られた器

商品を並べる棚は、島根で出会った家具屋さんに依頼して作った特注品。店内に馴染む素材とサイズ、作品の魅力を引き立てる照明が配置されています。商品が眺めやすく、実際に使うときのことをゆっくりとイメージしながらお気に入りを選ぶことができるように感じました。

ガラスの照明は、岐阜のガラス作家 安土草多 (あづち・そうた)さんの作品。販売もされていました

ガラスの照明は、岐阜のガラス作家 安土草多 (あづち・そうた)さんの作品。販売もされていました

店内の商品は、全て佐々木さんが全国をまわって見つけてきたもの。

岐阜のガラス工芸作家、安土忠久さんの作品。どっしり感のあるグラスやお皿は、手にしっくり馴染む

岐阜のガラス工芸作家、安土忠久さんの作品。どっしり感のあるグラスやお皿は、手にしっくり馴染む

大きな押紋土鍋は、鳥取県「岩井窯」の山本教行さんの作品。真鍮のおたまは岡山県の菊地流架さん作

大きな押紋土鍋は、鳥取県「岩井窯」の山本教行さんの作品。真鍮のおたまは岡山県の菊地流架さん作

愛知県の「瀬戸本業窯」の器

愛知県の「瀬戸本業窯」の器

各地に赴き、じかに相談してきたからこそ扱える

この地でお店を開く前に、7年ほどインターネット上でお店を営んでいた佐々木さん。当時から各地で「これは!」という作品を見つけては、窯元や工房へ赴きました。作品に惚れ込んだ思いを伝えるとともに取り扱いの相談をし、少しずつ作家さんとの関係を築いていったそうです。

民藝好き仲間やお客さまからの情報で展示会へ出かけ新たな作品に出会ったり、古道具の買い出しに出かけたりすることもあるのだとか。

「ふるいもの」と書かれた棚に並ぶ器。同業の方から譲り受けたり、骨董市や展示会で出会って仕入れてきたもの。「骨董」というと堅苦しい印象があるので柔らかい言葉を選んでいるそう

「ふるいもの」と書かれた棚に並ぶ器。同業の方から譲り受けたり、骨董市や展示会で出会って仕入れてきたもの。「骨董」というと堅苦しい印象があるので柔らかい言葉を選んでいるそう

その時々の巡り合わせで、異なる地域、作家さんの作品が並ぶので、店頭に並ぶ品物もその時々で変わります。何度も通いたくなりますね。器の他にも、カトラリーやかご、布製品なども。

縁が薄く作られ、口当たりが抜群の木製匙と蓮華。長野県の大久保公太郎さんの作品

縁が薄く作られ、口当たりが抜群の木製匙と蓮華。長野県の大久保公太郎さんの作品

ラオスで村の人々と布作りをしている谷由起子さんの仕事。バッグやストール、豆敷など

ラオスで村の人々と布作りをしている谷由起子さんの仕事。バッグやストール、豆敷など

店内では定期的に個展や企画展も開かれ、作家と交流しながら作品を購入する機会もあります。訪れたのはちょうど、谷由起子さん率いるHPEの作品展が終わったところでした。

店主の佐々木さんは、学生時代に旅行で訪れた沖縄で金城次郎さんの作品に衝撃を受け、それから民藝に興味を持つようになったそう。その後いだいた「いつか工藝に携わる仕事がしたい」という思いが現在につながっています。「こんなにカッコいい作品がある!作り手がいる!」ということを、広く伝えていきたいと考える佐々木さん。その思いが溢れるお店でした。

商品を綺麗に磨くことにも余念のない佐々木さん

商品を綺麗に磨くことにも余念のない佐々木さん

「重苦しい雰囲気にせず、むしろどこか軽やかさのある店。居心地の良い空間にしたかった」という佐々木さんの言葉の通り、ゆったりとリラックスして楽しめるので、ついつい長居してしまいました。

買い物をしてお店を後にすると、もうすっかり夕暮れどき。

お昼間とはまた違った雰囲気の外観。

お昼間とはまた違った雰囲気の外観。

「日本一の夕日」と謳われる松江の宍道湖周辺の夕暮れ。この日はあいにくの曇り空でしたが、橋の向こうの宍道湖に沈む太陽の名残で、湖だけでなく川にも空にも美しいブルーが広がっていました。

マジックアワーは空も川も美しいブルーで目を奪われました

出雲には、「ばんじまして」という挨拶があります。夜が訪れる間際の美しく儚い時間に交わされる言葉。出雲の人々の特別な思い入れが詰まったこの言葉を思い出しながら、景色を味わいました。

お店のそばに掛かる橋を臨む景色。空気全体が青みがかっていました

お店のそばに掛かる橋を臨む景色。空気全体が青みがかっていました

島根県は、湯町窯や出西窯など、有名な窯元もあり、器好きが多く訪れる場所。objectsは、そんな器好きの人々からも好評で、今では全国から多くの方が訪れるようになったお店です。

景色を楽しみ、松江の町歩きを堪能する際に、ふらりと気軽に立ち寄れる場所。店内の居心地の良い雰囲気は、器に詳しくない方、これから器を集めていきたいと思っている初心者の方にも嬉しいもの。

笑顔で迎えてくれる佐々木夫妻の案内で、お気に入りの作家さんや作品にきっと出会えます。

objects
松江市東本町2-8
0852-67-2547
営業時間:11:00〜19:00
不定休

文・写真:小俣荘子
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