さんち 〜工芸と探訪〜

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日常に取り入れる、ハレ。有田焼の一輪挿し「なみだ壺」

投稿日: 2018年5月20日
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お祭や祝い事など特別な「ハレ」の日と、普段の生活を区別して暮らしてきた日本人。

「ハレ」の日にはめいっぱい華やかに、その分「ケ」の日々は質素に。
これがかつてのスタンダードだったようですが、私たちの生活にはなんだかしっくりきません。

日常の中に「ハレ」の要素があったらきっと楽しいし、逆にハレの日だってそんなに形式張って、しきたりを守らなくてもいいのかもしれない。

私たちの暮らしの中で、ハレとケの境界線は昔よりも曖昧になってきているように思います。

黄金色に輝いて見える?金豆の実。ちなみに食べられません

例えば、なんでもない日に少し特別なレストランに行ってみたり、華やかなパーティでの服装に、あえてカジュアルなアイテムを合わせてみたり。

そんな風に自由に「ハレ」と「ケ」を楽しむことに、現代の粋を感じます。

前回の記事“ハレの日に贈りたい日用品”の提案に対して、今回は日常に取り入れたい、ちょっとした「ハレ」のご提案です。

贅沢品としてヨーロッパの王侯貴族に愛された有田焼

日本で初めて磁器づくりが始まったのは、400年前。「白磁(はくじ)」と呼ばれる白い焼き物を作るための石が有田で見つかり、のちに有田焼として発展します。

華やかな絵付けの伝統的な有田焼。有田観光協会提供。

まるで発光しているかのように白く透き通った素地に細やかな絵付けが施された有田焼の陶磁器は、江戸時代からヨーロッパへ輸出され、王侯貴族の間で絶大な人気を集めました。

それは、ヨーロッパを代表するドイツの高級磁気メーカー「マイセン」にも、多大なる影響を与えたほど。

そんな風に、贅沢品として愛されてきた有田焼だからこそ、日々の暮らしに取り入れたら、毎日が少しだけ特別で華やかになるかもしれない。
だけど、あまり華美なものだと今の暮らしから浮いてしまう‥‥

そんな風に考えていたところ、日々のくらしに取り入れるのにピッタリなアイテムと出逢うことができました。

有田焼の技術がギュッと凝縮された、ちいさな「なみだ壺」

有田焼 なみだ壺 hibi

マットな質感の真っ白なボディが、造形美を引き立てます

一輪挿しとして使える、小さな「なみだ壺」。

「なみだ壺」という何だか詩的な名前の小瓶は、もともと古代ローマの女性たちが、戦場へと赴く夫を思って流した涙を入れるために使われていたものだそうです。

特徴的なのは、1600年代に有田で焼かれた壺の形状がモチーフとなっている18種類のかたち。これらには、瓢箪(ひょうたん)型、船徳利(ふなとっくり)型、達磨(だるま)型などと名前が付いており、それぞれに意味があります。

本来の5分の1に縮小して商品化することで、より日常に取り入れやすい価格とサイズ感になりました。

有田焼の専門商社、ヤマト陶磁器の山口武之さんがディレクションを務める、「より日常に馴染む有田焼」をコンセプトに掲げた「hibi(ひび)」シリーズのひとつです。

石膏の型に水で割った陶土を流す「排泥鋳込み」

このなみだ壺をつくるのは、江戸時代の安政年間から窯元としてものづくりをはじめた与山窯(よざんがま)さん。製造方法には有田焼の成形方法の中でも最も手がかかるといわれている「排泥鋳込み(はいでいいこみ)」が用いられています。

柄は、ミニマルなデザインの白地の商品のほか、染付(そめつけ)、赤絵(あかえ)といった有田独自の絵付け技法が施されたシリーズも。

有田焼 なみだ壺 hibi 赤絵 染付

伝統的な赤絵や染付の柄も、ミニサイズのなみだ壺だとキュートな印象に

バリエーションがたくさんあって、ついつい集めたくなってしまいます。
お気に入りを選んでお花を一輪ちょこんと生けたら、日常の何気ない風景に彩りがプラスされることでしょう。

ところでなみだ壺は、悲しいときだけではなく、嬉し涙を受け止めるための器でもあったそう。

ささやかなお祝いのプレゼントなどに、「嬉し涙をたくさん流してね」といったメッセージを込めて贈るのもすてきです。


現代のライフスタイルに合わせてつくられた「hibi」のなみだ壺。有田焼ならではの上質さはそのままなので、目に入ると晴れやかな気分にしてくれます。

何気ない日常にこそ、あえて取り入れたい「ハレ」のアイテムですね。

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