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早起きしてはしごしたい、日本三大朝市・飛騨高山の朝市 産地の朝市 宮川朝市と陣屋前朝市

投稿日: 2017年12月11日
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おはようございます。ライターの岩本恵美です。

旅をしたら、やっぱりその場所ならではの体験をしたい。地のものを食べたり、土地の人と接したり。そのどちらも一度に叶えてくれるのが、朝市です。

「早起きは三文の徳」とはまさにその通り。驚きの価格と新鮮な旬の食材、地元の人たちとの世間話などなど、朝市には色々な楽しみが詰まっています。

日本三大朝市の一つ、飛騨高山の朝市が立つのは2カ所

今回、私が訪れたのは、日本三大朝市の一つとして知られる飛騨高山の朝市です。

飛騨高山の朝市は2つ。一つは、高山市中央を流れる宮川の鍛冶橋から弥生橋の間に立つ「宮川朝市」。もう一つは、徳川幕府直轄時代の代官所だった高山陣屋前の広場に立つ「陣屋前朝市」。どちらもJR高山駅から10分ほどの便利な場所で、毎朝、年中無休で開催されています。つまり、いつ行っても楽しめる朝市なんです。しかも2つの朝市は歩いて徒歩6分ほどなので、朝市のはしごも可能。どちらも朝7時ごろから正午まで開かれているので、ちょっと寝坊したとしてもゆっくり見て回れます。

バラエティ豊かな商品が並ぶ宮川朝市

飛騨高山の朝市

宮川沿いにテントが立ち並ぶ「宮川朝市」

まずは、宮川朝市へ。鍛冶橋を渡っていくと、宮川沿いに連なる白いテントが見えてきました。

平日の朝9時。朝市の通りには、地元の人と国内外の観光客が入り交じり、時には異国の言葉も聞こえてきます。

朝市の通りを歩いていて、目立つのは野菜や果物の数々。太くて立派なねぎや大根、丸々とした白菜、蜜がしっかり入ったりんごなど、見事な姿形に思わず嘆声をもらしてしまいます。 そして、その価格を見て、二度びっくり。「こんなに立派な野菜が100円や200円!?」と、テンションが上がらずにはいられません。

飛騨高山の朝市

太くて立派な飛騨ねぎやカラフルな飾りとうもろこし

飛騨高山の朝市

りんごの種類は豊富で、色も大きさもさまざま

飛騨高山の朝市

農家の人も「こんな大根はじめて!」という変わった形の大根。これで1本です

生鮮食品の他にも、漬物やお餅などの加工食品、手づくりの民芸品などのお店が並びます。飛騨ねぎを使ったたこ焼き屋やカフェもあり、バラエティ豊かなお店のラインナップです。食べ歩きを楽しんでいる人の姿もちらほら見かけました。

飛騨高山の朝市

飛騨高山名物、赤かぶの漬物。今年は赤かぶが不作だったそう‥‥

飛騨高山の朝市

手づくりのさるぼぼは、一つひとつ微妙に表情が違うのが魅力

飛騨高山の朝市

店によっては、こんなにカラフルなさるぼぼも

飛騨高山の朝市

高山産の手作りはちみつ。巣箱もたまーに売れるのだとか

クッキーでできたカップでいただけるエスプレッソは外国からの観光客にも人気

飛騨高山の朝市

木の国・飛騨ならではの一位一刀彫のお店も

とっても軽い一位の木のアクセサリーは、時間が経つにつれて色が変わるそう。一番下は10年もの

飛騨高山の朝市

漬物屋さんの店頭にあった色鮮やかな赤かぶ

きれいな色の赤かぶに引き寄せられて、思わず立ち止まった漬物屋さん。赤かぶをはじめ、美味しそうな漬物がずらりと並んでいます。どれも試食ができるので、さっそく赤かぶの千枚漬をぱくりと試食。防腐剤や着色料は一切使わず、鮮やかな赤い漬け汁は赤かぶ本来の自然の色だそう。

「お店によってね、味が違うの。だからね、朝市は食べ歩きして買うといいよ」とのアドバイスとともに笑顔で送り出してくれました。

飛騨高山の朝市

「値段だけで他で買っちゃった」というお客さんに「味見して買わないとダメよ」と試食を勧める

農産物中心の陣屋前朝市

飛騨高山の朝市

高山陣屋前の広場に立つ「陣屋前朝市」

「朝市は食べ比べをすべし」との地元の方のアドバイスに従い、陣屋前朝市まで足を延ばして、朝市をはしごです。宮川朝市から徒歩で10分ほど。高山陣屋前の広場にも白いテントが軒を連ねていました。

飛騨高山の朝市

飛騨の伝統野菜の一つ、宿儺(すくな)かぼちゃ

飛騨高山の朝市

丸々とした白菜も一番大きなもので400円!

飛騨高山の朝市

前掛け部分の文字が「高山」になっているさるぼぼは珍しいのだとか

飛騨高山の朝市

蜜がたっぷり入ったりんご「ふじ」

ぐるっと一回りしてみて気づいたのは、野菜や果物などの農産物が多いこと。特に、りんごの季節だけに、さまざまな品種が並んでいました。

飛騨高山の朝市

りんご柄の久留米絣がかわいい、ひぐち果樹園のおばあちゃん

ぶらぶらしていると、「おはよう」と声をかけてくれたりんご農家のおばあちゃん。「これはパリッとしとるよ」と試食を勧めてくれました。食べてみると、たしかにいい歯ごたえ。先ほど宮川朝市でもらったアドバイスを胸に、他のりんごも食べ比べてみると、一つひとつ味や口当たりが違います。当たり前といえば当たり前なのですが、「りんごの味って一つじゃないんだ」と感動し、小ぶりなりんごの袋詰めを思わず購入。

すると、

おばあちゃん「遠いとこ?」

私「東京から来ました」

おばあちゃん「遠いさー。私の名月 (めいげつ) ちゃん、ひとつあげる。甘いやつな。途中で食べてって」

おまけをしてくれました。

「名月」とは、りんごの品種の一つ。ちゃん付けで呼ぶなんて、自分の手で育てているりんごを子どものように思っているんだなと、ほっこりしました。おばあちゃんが手間ひまと愛情をかけて作っているりんごなんだなと思うと、より美味しくいただけそうです。

飛騨高山の朝市

もうひとつおまけに、とびっきりの笑顔までいただきました!

りんごの他には、本格的な冬が近づいているだけに、漬物や味噌などの保存食品も目立ちます。季節の移り変わりとともに、店先に並ぶものが変わるのも朝市の楽しみの一つでしょう。

飛騨高山の朝市

種類豊富な漬物は、全て飛騨高山産の野菜を使用

飛騨高山の朝市

色んな味の工夫がされている手作りの味噌

飛騨高山の朝市

石臼杵つきのお餅はコシが強く、雑煮にしてもとけないそう

受け継がれてきた朝市文化

飛騨高山の朝市は、地元の農家の人たちによって現在まで受け継がれてきました。幾度も場所を転々としながら、定着したのが現在の宮川と陣屋前の2カ所。その歴史は古く、1820年 (文政3年) ごろに高山別院を中心に開かれた桑市がはじまりだといわれています。その後、養蚕業が衰退するにつれて、明治半ばごろから野菜や花などが売られるようになり、市民の台所として地域に根付いたそうです。一時は朝市だけでなく、夜市も盛んに開かれたのだとか。

そんな長い歴史を持つ朝市も、農家の人たちが丹精込めて作ったものを自分たちの手で売るというスタイルは今も昔も変わらずに続いています。

地元の人たちが通い続けているのも、そのおかげかもしれません。朝市に並ぶ商品を見ていると、あくまでも農産物が中心。飛騨高山の食を支える、市民の台所としての原点を大切にしているように感じました。

農産物の保存方法や美味しい食べ方、民芸品の由来など、作り手だからこそ知っていることが聞けるのも、直売のいいところ。

いろいろ聞いているうちに「あれも欲しい」「これも欲しい」と思いつつ、後ろ髪を引かれる思いで朝市を後にしました。

「近所にもこんな朝市があったらいいのに」と思ったのは言うまでもありません。そしたら、早起きがもっと得意になれそう。そんな気がした飛騨高山の朝でした。

<取材協力>

宮川朝市
場所:鍛冶橋から弥生橋までの宮川沿い
URL : http://www.asaichi.net
営業時間:7:00~12:00(12月~3月は8:00~12:00)

陣屋前朝市
場所:高山陣屋前(岐阜県高山市八軒町1-5)
URL : http://www.jinya-asaichi.jp
営業時間:7:00~12:00(11月~3月は8:00~12:00)

文:岩本恵美
写真:岩本恵美、今井駿介
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