さんち 〜工芸と探訪〜

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おんな城主 直虎の舞台で今も続く「浜松まつり」に行ってきました

投稿日: 2017年5月7日
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こんにちは、ライターの小俣荘子です。
連休最終日となりましたが、今年のゴールデンウィークはいかがでしたでしょうか。各地で様々な行事が開催されるこの季節、さんちでは、ひときわ盛り上がりを見せる静岡県浜松市の「浜松まつり」を訪れました。

町ごとに揃いの法被(はっぴ)姿で一致団結してお祭りに挑みます

町ごとに揃いの法被(はっぴ)姿で一致団結してお祭りに挑みます

「浜松まつり」は、毎年5月3日から5日までの3日間開催されます。浜松市内の174か町の大凧が空を舞う「凧揚げ合戦」と、夜の街に幻想的に現れる81か町の「御殿屋台引き回し」が大きな見所です。一説によると、今から450年ほど前に、当時の浜松の城主に長男が生まれたことをお祝いして凧を揚げたことが始まりと言われており、長い月日に渡って受け継がれてきたお祭りです。現代でも浜松っ子に愛され続けていて、それぞれの地域でこの日のために準備して盛り上げるので、なんと会社によってはお祭り休暇が認められることも多いのだとか。いかに地域で大切にされてきたか伺えますね。

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初日3日の朝9時。中田島砂丘にある凧揚げ会場を訪れると、パッパパパパッパーパッパパパパーという軽快なラッパの音や太鼓の音、そして「オイショ、オイショ」という掛け声が響き渡っています。開会前ながら、すでに凧揚げをされている方もいらっしゃって、みなさんのお祭りへの情熱が伝わってきます。(町の方に伺うと、凧揚げが大好きな方々は待ちきれず、早朝の広い空で一度凧を揚げて降ろして、開会後に再度揚げるのだとか。)

開会と同時に、激しい熱気で盛り上がる

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開会宣言と花火の音と共に開幕する「浜松まつり」。大凧が一斉に空に舞い上がると、凧揚げ会場管理棟前で旗を掲げた町衆が激しい練りを繰り広げます。ものすごい熱気です。

「おんな城主 直虎」で直虎の幼少時代「おとわ」を演じた

「おんな城主 直虎」で直虎の幼少時代「おとわ」を演じた新井美羽(みう)さん

今年は、NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」で主人公、井伊直虎の幼少期おとわを演じた新井美羽(みう)さんも浜松市のキャラクター家康くんや直虎ちゃんとともに登場し、「オイショ、オイショ」の掛け声とともに激しい練りを応援し、開会早々から盛り上がりも最高潮に

大凧が一斉に空を舞います。合戦には4〜6帖が最適とされますが、最大では10帖(約3.64m四方)のものも

大凧が一斉に空を舞います。合戦には4〜6帖が最適とされますが、最大10帖(約3.64m四方)のものも

浜松市の鈴木康友市長

浜松市の鈴木康友市長

初子の祝い

浜松市の鈴木康友市長にお話を伺うと、「城主の長男誕生を祝う凧揚げから始まって、今でもお子さんが生まれるとお祝いに凧を揚げます。町をあげての400年以上続く伝統的なお祭りです。お祝いに凧を作ったり、お祝いしてくださった方々にお料理やお酒を振舞ったりと色々と準備もあるので、最近では両親だけでなく、おじいちゃんやおばあちゃんが一緒になって支度をする家族の一大イベントでもあります」と、教えてくださいました。
そういえば、朝お話を伺った道ゆく年配のご夫婦も「今年は孫の初子祝いなんだよ」と嬉しそうに語っておられました。激しい練りや凧揚げ合戦など、勇ましさ溢れるお祭りですが、もうひとつの主役は子供たち!生まれた子供を喜び、町をあげてお祝いする愛情深いお祭りという一面もあり、大人から子供までこの日を楽しみにしている理由が垣間見られました。

初子の誕生を祝う「初凧」を揚げる様子

初子の誕生を祝う「初凧」を揚げる様子

一家に初めての子供(最近では2子以降でも)が生まれると町をあげてお祝いをする「初子の祝い」。お祭り初日の5月3日には「初凧揚げ」を行います。子供の名前と家紋の入った初凧を家族と町衆が協力して揚げます。空高く凧が上がると、町衆が家族を担いで、ラッパや太鼓の演奏と練りで盛大にお祝いします。その場にいるみんなが笑顔で嬉しそうです。

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それにしても、小さな子供から大人まで、みなさん楽器の演奏もとてもお上手。キーのついていないラッパも見事に音階を吹き分けるみなさん。お嬢さんたちにお話を聞くと、「口の形を変えながら音程を調整したりするんです」と教えてくれました。小さい頃から練習して使いこなしているのだそう。マウスピースから音を出すのだってなかなか難しいのに本当にお見事です。

凧揚げ会場そばにある「浜松まつり会館」では、町ごとの法被なども展示されています

凧揚げ会場そばにある「浜松まつり会館」では、町ごとの法被なども展示されています

手ぬぐいも長年大事にされてきた凧印が描かれています

手ぬぐいも長年大事にされてきた凧印が描かれています

祭りの夜を幻想的に彩る「御殿屋台」

市の中心部に戻ると、立派な屋台の姿がありました。

正面には桃太郎(左)と花咲爺(右)、欄干には十二支の彫り物。その他にも数々の神様や縁起物が彫られています

正面には桃太郎(左)と花咲爺(右)、欄干には十二支の彫り物。その他にも数々の神様や縁起物が彫られています

「御殿屋台」の名前にふさわしい豪華絢爛な屋台。ケヤキやヒノキを使った白木づくりが中心です。釘は一本も使わず、全て木を組んで固定する伝統的な技法で作られており、百年以上の耐久性があるとも。精巧な彫刻と豪華な装飾が施され、町の誇り、自慢の一台として大切にされています。彫刻は子供の健やかな成長を祈るものや縁起物が数多く取り入れられていて、前後左右、足元に及ぶまで見応えたっぷりです。

御殿屋台の撮影させてくださった葵西町のみなさん

御殿屋台を撮影させてくださった葵西組のみなさん

普段は各町で大切に保管されている御殿屋台をお祭り当日に中心部へ運んできます。「今朝も車の力を借りながら朝4時くらいに出発したよ」と、にこやかに語る葵西組の副組長の小池さん。早朝から10km近い距離を屋台を引いてやってくるのだそう。市の面積が全国第二位を誇る浜松市。遠方の町の方々にとっては、この朝の屋台引きだけでも一大仕事の様子。それでもこの笑顔!本当にみなさん熱いですね。

提灯の光と共に幻想的に登場する御殿屋台

提灯の光と共に幻想的に登場する御殿屋台

夕方6時半を迎えると、いよいよ始まる「御殿屋台引き回し」。
3日間で81か町の屋台が参加します。提灯に灯がともり、幻想的で美しい姿を現し、大勢の見物客を魅了します。町によってデザインも様々で、行列に引かれてゆっくりと進む様子に見惚れてしまいます。

子供達のお囃子

お囃子でも活躍する子供たち

屋台の上で笛や太鼓のお囃子を奏でるのは、小学生を中心とした子供たち。お祭りの何ヶ月も前からそれぞれの町内で練習を積み、本番を迎えます。レパートリーも豊富。町ごとにお揃いの衣装に薄化粧を施した姿で、美しい音色を響かせます。

初日だけでも朝から夜まで見応え十分の「浜松まつり」。
このほかにも、初子を祝う「初練り(町衆が初子の家を訪れて誕生を祝い、家ではお礼にお酒や料理でもてなします)」や、2日目、3日目は勇壮な「糸切り合戦(各町が凧糸を絡ませて空中で擦り合いながら相手の糸を切ります)」など盛りだくさんの三日間です。どこへ行っても、1年間この日を楽しみにしてきた浜松市民のみなさんの笑顔が溢れ、子供から大人まで地域をあげて盛り上げている思いが伝わってきました。お祭りに馴染みのない人でもすっかりお祭り好きになってしまう、そんなエネルギーみなぎっています。経験されていない方もぜひ一度、訪れてみてはいかがでしょうか。

浜松まつり
http://hamamatsu-daisuki.net/matsuri/

<取材協力>
浜松市役所
https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/
浜松まつり会館
https://matsuri.entetsuassist-dms.com/

文・写真 : 小俣荘子

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