さんち 〜工芸と探訪〜

SUNCHI ~ Explore japan through regional crafts ~

このページの先頭へ

あなただけの
さんちの手帖に

会員登録を行うことでお気に入りの読み物に栞を挟むことが出来ます。記事に栞を挟んで自分だけの栞帖をつくってみませんか?
メールアドレス:(必須)
※ 「.@(@の前にドット)」、「..(ドット2つ)」を含むメールアドレスはご利用いただけません
メールアドレスは既に使われているか、正しい形式で入力してください
会員登録する
既にアカウントをお持ちの方は こちら

退会手続き

退会すると栞した読み物や産地の情報が完全に消去され復元することはできません。本当に退会しますか?
キャンセル
退会する

着崩れしにくい浴衣の着方を、この道20年のプロに聞く。 夏の風物詩「郡上おどり」で、夜通し踊っても着崩れしない浴衣の着方とは

投稿日: 2019年6月5日
産地: 郡上八幡
  • LINE

そろそろ、祭ばやしや花火の音が聞こえてくる頃。せっかく持っているのなら、着る機会を持ちたいと思うのが浴衣だ。

ただ、浴衣で出かけるとなると、心配になるのが着崩れ。そもそも、着崩れしないための秘訣はあるのだろうか?

それをいちばん知っていそうな人‥‥岐阜県郡上市で着付け教室を開いて23年、「郡上八幡城南着付教室」の大坪里美さんに、実際に着付けをしてもらいながら浴衣の着方のコツを聞いた。

400年以上の歴史をもつ「郡上おどり」

なぜ岐阜の郡上(ぐじょう)で着付けなのか。ここで、「郡上おどり」の話をすべきだろう。

もしかすると、平成から令和へ切り替わる夜に行われた「徹夜おどり」の話題を見た人も多いかもしれない。

郡上おどりとは、400年以上の歴史をもつ日本三大盆踊りの一つ。7月中旬から9月上旬にかけて33夜にわたって行われ、毎年25万人以上の来場者数を誇る一大イベント。

とりわけ8月13〜16日の4日間は、翌朝まで徹夜で踊り明かす「徹夜おどり」が開催され、盛り上がりも最高潮になるのだ。

400年以上にわたる歴史を持つ郡上おどり

郡上おどり

どんな服装でも参加することができるものの、浴衣と下駄のスタイルで踊るのが醍醐味の一つ。そして大坪さんは、郡上おどりだけでも毎年150人以上を担当する凄腕の着付師なのだ。

夜通し踊っても着崩れしない郡上おどり流の着付けなら、普段の着付けにも活かせるヒントが見つかるはず‥‥

岐阜県郡上市「郡上八幡城南着付教室」の大坪里美さん

お話を伺った、着付師の大坪里美さん

着崩れしないための4つのコツ

「浴衣で郡上おどりに参加するなら、着崩れしないことはもちろんですが、どれだけ動きやすいかも大切です」

確かにいくら着崩れしないと言っても、踊っていて苦しさを感じるようでは元も子もない。 着付けのポイントはたくさんあるものの、郡上おどりならではの着崩れしにくいコツとして、大きく4点を教えてもらった。

1.タオルを2本以上使う
2.衿芯を入れる
3.裾の高さは足の甲から7〜10センチ
4.帯の内側にミニタオルを入れる

着付けに必要なもの

用意するものは、「浴衣・帯・肌着・衿芯・前板・タオル 2枚以上・腰ひも 2本以上・伊達締め又は伊達巻き 1本・三重仮紐(なくてもOK)・下駄」。(今回、三重仮紐はなしで着付けてもらったが、あると帯結びがラクになるそうだ)

それでは着付けをしてもらいながら、順を追ってポイントを聞いていこう。

「郡上八幡城南着付教室」での着付け風景

着物用の肌着を着用。女性はブラジャーをしない方が着姿が美しく見えるとのこと

浴衣の着方のコツ その1:
タオルを2本以上使う

寸胴な体型の方が、浴衣を着た時にキレイに見える。 ウエストに「タオルを2本以上」巻くことで、くびれをなくし美しく着られるだけでなく、タオルがクッションになって苦しさを感じないというメリットも。

「細身の人は特に、タオルを多めに使うといいですよ」

浴衣を羽織る前に、下前の内側にくる肌着に静電気防止スプレーをするのが大坪さん流。

「郡上八幡城南着付教室」での着付け風景

静電気防止スプレーをシュッとひと手間

「こうすることで浴衣が肌着にまとわりつかず、動きやすくなりますよ」



浴衣の着方のコツ その2:
衿芯を入れる

「郡上八幡城南着付教室」での着付け風景

ここで「衿芯(えりしん)」が登場!

浴衣のえり部分に入れる型紙のような「衿芯(えりしん)」。衿芯は浴衣を着る上での必須アイテムではないものの、入れることでうなじ部分をすっとキレイに見せ、また着崩れしにくくなるという。

「郡上八幡城南着付教室」での着付け風景

衿芯が入っているだけで、衿部分がこんなにキレイに見える


浴衣の着方のコツ その3:
裾の高さは足の甲から7〜10センチ

浴衣を羽織る時、「裾の高さを足の甲から7〜10センチ」にするというのも郡上おどりならでは。

「通常なら5センチくらいが可愛く見えるのですが、踊ることを考えると、裾を少し高めの位置にしておきましょう」

「郡上八幡城南着付教室」での着付け風景

踊りやすさを考え、裾の位置はやや高めに

「郡上八幡城南着付教室」での着付け風景

おはしょり(帯の下に出る部分)がもたつかないように、下前の布を内側に織り込み‥‥

浴衣の着用が完了

浴衣の着用が完了

「郡上八幡城南着付教室」での着付け風景

首もとからおはしょりまでは、手のひら2つ分くらいの長さに


浴衣の着方のコツ その4:
帯の内側にミニタオルを入れる

続いて帯結びへ。多種多様ある結び方の中で、今回は「羽づつみ」という結び方にしてもらった。

「郡上八幡城南着付教室」での着付け風景

帯の結び方は好みに応じて提案してくれる。帯の上線に合わせて結ぶことで、結び目が安定し着崩れしにくくなる

帯が結べたら「ミニタオルを入れる」ことを忘れずに。

「タオルを入れると帯が安定し、動いても崩れにくくなりますよ」

激しく踊り明かすと、帯の部分から着崩れてしまう場合が多いそう。このタオルは必須ではないものの、ぜひとも用意しておきたい。

「郡上八幡城南着付教室」での着付け風景

事前にカットしたタオルを準備しておくと便利



無事に帯結びが完成したところで、最後にもうひと技。 両手を上げた状態で、脇の部分にあたる「身八つ口」の布を引き出す。

「郡上おどりは腕を上げる動作が多いので、事前に引き出しておくと格段に動きやすくなりますよ」

「郡上八幡城南着付教室」での着付け風景

両腕を平行に上げた状態で帯を押さえながら、身八つ口を上に引き出していく

着崩れした時に、自分で直す方法

浴衣で歩く時は「一歩一歩を短く内股で歩くのが、正しい歩き方です」と大坪さん。合わせて、自分でお直しするにはどうしたらいいのかも聞いてみた。

「お手洗いへ行った時に毎回おはしょりを整えるのが、着崩れを防ぐコツです」

「おはしょり」とは、帯の下に出ているこの部分

「おはしょり」とは、帯の下に出ているこの部分

おはしょりの整え方は、後ろ、横、前の順に引いていく。

着崩れしたときに、おはしょりを直す方法

まず後ろのおはしょりを下に引き‥‥

着崩れしたときに、おはしょりを直す方法

同じ要領でサイドのおはしょりを引き出す

着崩れしたときに、おはしょりを直す方法

ぐるりと手をまわし、前の部分も引き出して‥‥

着崩れしたときに、おはしょりを直す方法

帯に対して平行になるように整えるのがコツ



着付けを体験してみて驚いたのが、想像以上に楽だということ。帯の締め付けが少なく、これなら一晩中踊っても疲れなさそうだ。

今回紹介した着付けのコツは、普段にも活かせるものばかり。 自分でも着る際にも、ぜひ取り入れてみたい。




<取材協力>
郡上八幡城南着付教室
岐阜県郡上市八幡町城南町233-1
https://peraichi.com/landing_pages/view/kitsuke

文:関谷知加
写真:ふるさとあやの
  • LINE

Follow us

全国の工芸・産地にまつわる読み物を毎日更新しています

さんち〜工芸と探訪〜の読み物は各種ソーシャルメディアでも配信中。 今すぐフォローして最新情報をチェックしよう!

関連の読み物

「さんち 〜工芸と探訪〜」がアプリ「さんちの手帖」として登場しました。記事を読むだけではなく、旅の栞や旅印帖として使える、あなたのおともになるアプリです。

  • App Storeからダウンロード
  • Google Playで手に入れよう

アプリの詳細を見る