さんち 〜工芸と探訪〜

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三十の手習い

三十の手習い「茶道編」一、練習でなく、稽古です。<前編>

投稿日: 2016年11月26日
産地: 読みもの
編集:
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こんにちは。さんち編集部の尾島可奈子です。
着物の着方も、お茶の作法も、知っておきたいと思いつつ、過去に1、2度行った体験教室で習ったことは、すっかり忘却の彼方。そんなひ弱な志を改めるべく、様々な習い事の体験を綴る記事、題して「三十の手習い」を企画しました。第1弾は茶道編。30歳にして初めて知る、改めて知る日本文化の面白さを、習いたての感動そのままにお届けします。

茶道編
一、練習でなく、稽古です。

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10月某日。
江戸風情と異国情緒が混ざり合う街、神楽坂のとあるお茶室に、日没を過ぎて続々と人が集まります。開かれたのは木村宗慎さんによる茶道教室。宗慎さんは裏千家、芳心会を主宰される傍ら、茶の湯を中心とした本の執筆、雑誌・テレビへの出演、新たな茶室の監修など、世界を舞台に幅広く活躍されています。

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先生の木村宗慎さん。

お稽古には幸運にもお仕事でご縁のある「大塚呉服店」さんのご協力で、着物を着て参加できることに。形から入るとはよく言ったもので、自ずと引き締まった気持ちでお稽古に臨みます。良い香りのする畳の上で、しかし正座して長時間何かをするというのも久しぶりのこと。はじまりに茶道を習う心構えのお話などを宗慎さんから伺ううち、集中したい気持ちとは裏腹に、早速足がビリビリと…

「今日はみなさんに安心していただきたいのですが、基本的に私たちも足はしびれるものだという想定をしています。
例えばお茶の席で立って何かをしたい時に足がしびれていたら、ホスト側もゲスト側も『すいません、足がしびれまして』と足を直されたらいい。
しびれるのは恥ずかしいことではないんですよ」

絶妙のタイミングで柔らかくアドバイスをくださった宗慎さん。場の空気もほっと和らぎます。

「お茶を点てるだけではなく、来た人が自分が大切にされていると感じる事。例えば茶碗一つを大切に扱う事で、それを使う人を大事にする事になります」

とのお話から始まったお稽古は、その言葉の通り、お茶をいただいてその作法を習う以上の、日常から実践できる、様々な学びのあるものでした。

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◇名残の10月

「五感を持って感じられること、
 その場で起きることのすべてに意味がある、というのがお茶です」

とはじめに見せてくださったのが金継ぎのされたお碗。

「10月は名残の月です。11月になると炉開(ろびらき)と言って冬の設えにガラっと変わります。
お茶の世界では、新茶は半年ほど熟成させてから飲んだ方が良いとの考えがあって、口切(くちきり)という行事を行って、この炉開の頃に合わせて新茶を飲み始めていました。
そこでは錦秋紅葉の華やかな風情を演出するので、10月中はわざと寂しく、切ない秋の感じを出します。そういう時に喜ばれるのがこういった、欠けたり継いだりしているもの。
つまり、季節ごとのコントラストを演出して、1年飽きないようにしていたんですね」

意味を知った後でお茶室内を見渡すと、お道具や設えの一つひとつが、特別な意味を持って目に映ります。けれど今はまだ、解説頂かないと気づけないところが、もどかしい。

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忘れないうちに、とにかくメモ、メモ。

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